Prisma ORM、TypeScript、CockroachDB を使用したベースライン設定
初期マイグレーションの作成
前セクションでイントロスペクトしたデータベースでPrisma Migrateを使用するには、データベースをベースライン化する必要があります。
ベースライン化とは、既にデータが含まれており、リセットできないデータベース(本番データベースなど)のマイグレーション履歴を初期化することを指します。ベースライン化は、Prisma Migrateに対し、1つ以上のマイグレーションが既にデータベースに適用されていると仮定するよう指示します。
データベースをベースライン化するには、prisma migrate diff
を使用してスキーマとデータベースを比較し、その出力をSQLファイルに保存します。
まず、migrations
ディレクトリを作成し、その中にマイグレーションの任意の名前でディレクトリを追加します。この例では、マイグレーション名として0_init
を使用します。
mkdir -p prisma/migrations/0_init
情報
-p
は、指定したパス内の不足しているフォルダを再帰的に作成します。
次に、prisma migrate diff
でマイグレーションファイルを生成します。以下の引数を使用してください。
--from-empty
: マイグレーション元のデータモデルが空であると仮定します。--to-schema-datamodel
:datasource
ブロック内のURLを使用して現在のデータベース状態を表します。--script
: SQLスクリプトを出力します。
npx prisma migrate diff --from-empty --to-schema-datamodel prisma/schema.prisma --script > prisma/migrations/0_init/migration.sql
マイグレーションのレビュー
このコマンドは、以下のスクリプトに似たマイグレーションを生成します。
prisma/migrations/0_init/migration.sql
CREATE TABLE "User" (
id INT8 PRIMARY KEY DEFAULT unique_rowid(),
name STRING(255),
email STRING(255) UNIQUE NOT NULL
);
CREATE TABLE "Post" (
id INT8 PRIMARY KEY DEFAULT unique_rowid(),
title STRING(255) UNIQUE NOT NULL,
"createdAt" TIMESTAMP NOT NULL DEFAULT now(),
content STRING,
published BOOLEAN NOT NULL DEFAULT false,
"authorId" INT8 NOT NULL,
FOREIGN KEY ("authorId") REFERENCES "User"(id)
);
CREATE TABLE "Profile" (
id INT8 PRIMARY KEY DEFAULT unique_rowid(),
bio STRING,
"userId" INT8 UNIQUE NOT NULL,
FOREIGN KEY ("userId") REFERENCES "User"(id)
);