TypeScriptとPrisma ORMで既存のSQL Serverデータベースをクエリする
Prisma Clientで初めてのクエリを記述する
Prisma Clientを生成したので、データベースのデータの読み書きを行うクエリを記述し始めることができます。
REST APIを構築している場合、Prisma Clientをルートハンドラで使用して、受信HTTPリクエストに基づいてデータベースのデータの読み書きを行うことができます。GraphQL APIを構築している場合、Prisma Clientをリゾルバで使用して、受信クエリとミューテーションに基づいてデータベースのデータの読み書きを行うことができます。
ただし、このガイドでは、Prisma Clientを使用してデータベースにクエリを送信する方法を学ぶために、シンプルなNode.jsスクリプトを作成するだけです。APIの仕組みを理解したら、実際のアプリケーションコード(例: RESTルートハンドラやGraphQLリゾルバ)に統合し始めることができます。
`index.ts`という名前の新しいファイルを作成し、次のコードを追加します
import { PrismaClient } from '@prisma/client'
const prisma = new PrismaClient()
async function main() {
// ... you will write your Prisma Client queries here
}
main()
.then(async () => {
await prisma.$disconnect()
})
.catch(async (e) => {
console.error(e)
await prisma.$disconnect()
process.exit(1)
})
以下は、このコードスニペットの各部分の概要です
- `@prisma/client` nodeモジュールから`PrismaClient`コンストラクタをインポートします
- `PrismaClient`をインスタンス化します
- データベースにクエリを送信するための`main`という名前の`async`関数を定義します
- `main`関数を呼び出します
- スクリプトが終了したらデータベース接続を閉じます
モデルの構成に応じて、Prisma Client APIも異なります。例えば、`User`モデルがある場合、`PrismaClient`インスタンスは`user`というプロパティを公開し、そこでCRUDメソッド(`findMany`、`create`、`update`など)を呼び出すことができます。プロパティはモデルの名前から名付けられますが、最初の文字は小文字になります(`Post`モデルの場合は`post`、`Profile`モデルの場合は`profile`となります)。
以下の例はすべて、Prismaスキーマのモデルに基づいています。
`main`関数内に、データベースからすべての`User`レコードを読み込み、結果を出力する以下のクエリを追加します
async function main() {
const allUsers = await prisma.user.findMany()
console.log(allUsers)
}
現在のTypeScriptセットアップでコードを実行します。`tsx`を使用している場合は、次のように実行できます
npx tsx index.ts
データベースイントロスペクションのステップでスキーマを使用してデータベースを作成した場合、データベースにはまだ`User`レコードがないため、クエリは空の配列を出力するはずです。
[]
レコードを持つ既存のデータベースをイントロスペクトした場合、クエリはJavaScriptオブジェクトの配列を返すはずです。
データベースにデータを書き込む
前のセクションで使用した`findMany`クエリは、データベースからデータを_読み込む_だけです。このセクションでは、`Post`と`User`テーブルに新しいレコードを_書き込む_クエリの作成方法を学びます。
`main`関数を調整して、データベースに`create`クエリを送信します
async function main() {
await prisma.user.create({
data: {
name: 'Alice',
email: 'alice@prisma.io',
posts: {
create: { title: 'Hello World' },
},
profile: {
create: { bio: 'I like turtles' },
},
},
})
const allUsers = await prisma.user.findMany({
include: {
posts: true,
profile: true,
},
})
console.dir(allUsers, { depth: null })
}
このコードは、ネストされた書き込みクエリを使用して、新しい`User`レコードと新しい`Post`および`Profile`レコードを作成します。`User`レコードは、それぞれ`Post.author` ↔ `User.posts`および`Profile.user` ↔ `User.profile`のリレーションフィールドを介して他の2つのレコードに接続されます。
返される`User`オブジェクトに`posts`および`profile`リレーションを含めるようPrisma Clientに指示する`include`オプションを`findMany`に渡していることに注意してください。
現在のTypeScriptセットアップでコードを実行します。`tsx`を使用している場合は、次のように実行できます
npx tsx index.ts
次のセクションに進む前に、先ほど作成した`Post`レコードを`update`クエリを使用して「公開」します。`main`関数を次のように調整します
async function main() {
const post = await prisma.post.update({
where: { id: 1 },
data: { published: true },
})
console.log(post)
}
現在のTypeScriptセットアップでコードを実行します。`tsx`を使用している場合は、次のように実行できます
npx tsx index.ts